糖尿病の合併症を発見するための検査項目とは!?

糖尿病は多くの合併症が出現することで「恐ろしい病気」と言われています。

※糖尿病合併症の概要についてはコチラ→糖尿病の合併症が出現する時期とは!? 

糖尿病は、血糖値のコントロールが一生涯続くという事で、非常に負担のかかる病気ですが、コントロールさえ確実に行っていれば、正常と同等の生活が可能です。

しかし、合併症は重篤な症状がほとんどで、常に生命の危機に直面することになります。

そんな合併症も、早期発見・早期治療によって症状の予防および悪化の抑制が可能な場合もあります。

そこで、重要になってくるのが「検査」で、種々の合併症に適した検査を実施することで、生命の危機を回避することもできることもあります。

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合併症を発見するための検査

糖尿病は、血糖値コントロールを的確に行い、デメリットの塊である糖尿病合併症の発症や進行を防ぐことがとても重要な病気です。

しかし、糖尿病合併症の発症初期は自覚症状がほとんどないため、検査でしか発見することができません。→糖尿病の合併症が出現する時期とは!? 

糖尿病と診断されたタイミングによって、「合併症がすでに発症しているか」、「その場合どの程度進んでいるのか」、また、「治療が始まってからも合併症が起きていないか」を調べるために定期検査が必須です。

目の症状(糖尿病性網膜症、白内障、緑内障)

高血糖が続くと、網膜内の血管が障害されて、詰まりや出血などを起こす糖尿病性網膜症や、緑内障、白内障が起こり、視力の低下や失明に至ります。

検査

眼底検査、視力検査、視野測定などがあります。

検査の間隔は進行の度合いによって、

1.正常~単純網膜症初期:年に1回2.単純網膜症中期~:3~6ヵ月に1回

3.増殖前網膜症~:1~2ヵ月に1回(状態による)

 

となっています。

目の合併症に関しては内科と眼科が連携して治療にあたるようです。

内科と眼科と別々の医療機関で受診する場合は、「糖尿病手帳」にそれぞれのデータを記入してもらい、両方の医師に診てもらう必要があります。
糖尿病手帳は、ほとんどの主治医から、無料で提供してもらえます。

腎臓の症状(糖尿病性腎症)

糖尿病になると、腎臓で体内の老廃物をろ過している「糸球体」の毛細血管が障害されます。

腎臓のろ過機能に障害が起こるため、塩分やタンパク質など、多くの栄養で摂取量が厳しく制限された食事療法が必要になります。

さらに症状が進むと腎不全となり、機械で血液をろ過する「人工透析」が必要になります。

これは1週間に3~4回、1回の治療時間は4~5時間かかるなど、患者さんの時間的・体力的・精神的・金銭的負担が非常に大きくのしかかります・・・

また、糖尿病性腎症は、患者さんの生命にも大きく影響する病気なので、しっかりと的確な検査を受けて経過をみていくことが大切です。

検査

尿中微量アルブミン検査

早い段階での腎症発見の指標として利用します。

アルブミンはタンパク質の一種で、1日あたり尿中に30mg以上存在すると糖尿病による早期の腎障害が疑われます。

尿タンパク検査

タンパク尿が出ているかどうかを調べる検査です。

尿中にタンパク質が1日あたり、500mg以上でていると糖尿病による腎障害の進行が疑われます。

クレアチニンクリアランス検査

クレアチニンは、体内でエネルギーとして消費されたタンパク質の残りかす(老廃物)です。

血液に含まれており、腎臓でろ過され、尿中に排泄されます。

クレアチニン・クリアランス(Ccr)は、一定時間内の血清中と尿中のクレアチニンの濃度を測定して比較し、腎臓の糸球体が老廃物などを取り除く力がどれくらいあるかをチェックします。

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神経の症状(糖尿病神経障害)

高血糖が続くと、自律神経に障害が起こるため、手足のシビレや下痢、立ちくらみなど、神経症状が出ます。

また、感覚が鈍くなり、体内及び体外に異常が出てもなかなか気付かず、気づいたときには手遅れなケースがほとんどです。

検査

腱反射テスト

ゴムのハンマーで、立てひざの状態でアキレス腱を叩いたり、椅子に腰掛けた状態でひざのお皿の下を軽く叩いて、足が跳ね上がるかどうかを調べる検査です。

振動覚検査

振動を起こした音叉をくるぶしの上にのせて、振動の感じ方を調べる検査です。

知覚検査

皮膚をフィラメントという細長い繊維で軽くつついて、それを感じるかどうかを調べる検査です。

神経伝導検査

特定の部位を刺激した後に、神経に伝わる波の速さや大きさを電気的に調べる特殊な検査です。

上記の検査と異なり、客観的に神経の状態を確認することができます。

心拍変動検査

心電図をとりながら心拍に変動があるかを調べる検査です。

自律神経に障害があると、呼吸による心拍の変動が少なくなります。

神経伝導検査と同様に、客観的に神経の状態をみることができます。

脳の症状(梗塞の検査)、心臓の症状(狭心症・心筋梗塞)

高血糖の持続は、動脈硬化を促進します。

脳に動脈硬化が起こると、脳梗塞や脳出血などのリスクが高くなります。

また、心臓に動脈硬化が起こると、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高くなります。

脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞は、患者さんの生命にも影響する病気なので、しっかりと検査を受けて経過をみていくことが大切です。

脳梗塞の検査

CT検査

X線で撮影した脳をコンピュータ解析し、脳を輪切りにした状態の画像を映しだします。

そのため、脳卒中の種類や病変の部位・程度は診断できますが、小さな病巣や脳幹、小脳の病変、一過性脳虚血発作の異常などはみつけにくいのです。そこで磁気共鳴画像(MRI)検査をさらに行います。

磁気共鳴画像(MRI)検査

大きな磁石装置の中に体を入れた後、電波を当てて体の断面を撮影し、画像を映しだします。

頭蓋骨に覆われている脳も映しだすことができるほか、CT検査では写りにくい塞栓部の発見も可能にします。

狭心症 ・心筋梗塞の検査

胸部X線検査

心臓の肥大の状態を調べます。

心電図

狭心症、心筋梗塞などを調べます。

運動負荷試験心電図

とくに狭心症の心電図測定は、ベッドに寝た状態の安静時だけでなく、自転車こぎなどの軽い運動をした状態で測定する運動負荷試験心電図も必要です。

安静時には見られない、動作時の心臓の症状を検出することができるからです。

心臓エコー

心臓エコーは心電図とは異なり、超音波を用いて心臓の状態を画像として見ることができる検査です。

心臓の肥大の状態などが調べられます。

冠動脈造影検査

胸部X線検査では、血管や臓器、筋肉などの形態や機能を見分けることは困難です。

冠動脈造影検査は、詳しくみたい血管にカテーテルと呼ばれる管を挿入し、そこから造影剤を血管に流し入れてX線撮影を行います。

すると、血管の中や血流の状態を確認することができます。

足の症状(糖尿病性足病変)

糖尿病になると、免疫力の低下に伴い、細菌などに対する抵抗力が低下するため、白癬菌症(水虫)に感染しやすくなります。

また、糖尿病神経障害が進むと痛みを感じにくくなるため、低温ヤケドや、傷にも気づかず、化膿してはじめて気づくことも多いです。

その結果、潰瘍や壊死を起こし、足を切断しなければならなくなることがあります。

検査

足の血圧測定

足の血流の状態は、通常の血圧計で足背動脈や後脛骨動脈の血圧を測ったり、専用の血圧計で足の親指の血圧を測って確認します。

足の皮膚観察

患者さんやご家族が、爪の変形や、白癬、タコ、使い捨てカイロや湯たんぽなどによる低温ヤケドなどの異常がないか、患者さんの素足を毎日、観察します。

本人は認識していないので、この単純な作業が非常に大きな意味を持ちます。

もし、これらが見つかった場合は、すぐに受診するようにしてください。

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血管の症状

高血糖の持続は、血管を障害し脆くさせ、動脈硬化を促進します。

血圧や動脈硬化の程度を調べておくことは、脳卒中や心筋梗塞を防ぐためにも必要です。

検査

血圧検査

動脈硬化の状態を調べます。

とくに、足の血流障害による下肢閉塞性動脈硬化症が多くの患者さんに見られるため、足背動脈や後脛骨動脈の血圧測定は大切な検査です。

高血圧は、糖尿病腎症や脳卒中、心筋梗塞の原因にもなります。

血清脂質検査

動脈硬化の原因の1つに、悪玉コレステロール(LDL)が高く、善玉コレステロール(HDL)が低くなる脂質異常症(高脂血症)があります。

動脈硬化が進行すると、脳梗塞や狭心症などを引き起こすため、脂質異常症を早期に発見し、脳梗塞や狭心症などを予防します。

頸動脈超音波検査

首(頸部)の動脈の壁の厚さを超音波で確認します。

動脈硬化の程度が分かる他、脳卒中の予防にも役立つ情報が得られます。

たくさんの検査を実施

 

糖尿病の合併症は多く存在し、それらが並行して発症することも多い、タチの悪い病気です。

単独の合併症の検査でも複数項目実施しなければならないのに、合併症が混在すると、更に多くの検査をいろんな角度から確認する必要があります。

患者さんへの負担は当然大きくなります・・・

しかし、それを行う事で、症状の悪化を防止したり、現在発症しているもの以外の合併症を予防することにもつながるので、検査は非常に大きな意味を持っています。

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